見っけ!このはな2016

暮らしのあそび、あそびの暮らし
Mikke Konohana 2016







最寄り駅は、JR大阪環状線の西九条、または阪神なんば線の西九条駅と千鳥橋駅。大阪駅とユニバーサルシティのちょうど中間にあるこのまちは、大規模な再開発事業の波に飲み込まれることなく昭和の佇まいを残している。風情ある街だが住民の高齢化と建物の老朽化によって空き家が多い。

「みっけ!このはな」は、この地区にある空き家を使ってショップやアトリエなどを構えている人たちの場所と活動をまとめて公開しようという年に一度のオープンアトリエだ。こうした機会がないと思いも寄らないほど、結構な数のアトリエやショップが点在していて、街を散策しながら立ち寄って話を聞いているとあっという間に1日が過ぎていく。POS建築観察設計研究所の大川さんの仲介で様々な物件とクリエイターのマッチングが行われているそうだが、それぞれのペースで自由に活動している自然な雰囲気が印象的だった。各地で行われているアートで地域活性化の試みに比べると、ここは即物的な条件が主な引力となっていて、地域や歴史に縛られることのない軽い身のこなしが新鮮だ。FIGYAでのライブと「パレード、夜に歩く~ふたつの心臓の大きな川」は、インプロの要素含め、人、まちとの距離の取り方が絶妙だった。


09.11.2016(平野真弓)