Intangibility, Digital, Fine art & Fair

Intangibility, Digital, Fine art & Fair
11.16 - 11.19.2018
Space Ppong, Barim, D.A.Aura
会場:Space Ppong


光州にある3つのアートスペース、Space Ppong、Barim、D.A.Auraの共同企画。「フェア」とは何なのかという問いから発生したキーワードを並記したのが本タイトル。Fine artをSpace Ppongが、DigitalはBarimが、IntangibilityをD.A.Auraがテーマにそれぞれが企画展を開催していて、つまり、この3つの展覧会をひとつのイベントとして束ねているのが「作品を売る」という行為のようだ。壁の作品キャプションに価格が表記されていたり、レシートにクレジットカードリーダーを使ってイラストを描いてくれるクレジット・ドローイングがその方向性を端的に表している。

光州民衆化運動事件の当時の新聞記事を素材とする作品や、芸術文化関係者のブラックリストの作成を指揮したとして、職権乱用権利行使妨害罪に問われたキム・ギチュンとチュ・ユンソンの一連の裁判を傍聴した記録を販売する作品など、社会問題の価値連鎖を問う作品、デジタル写真をキャンバスに焼き直し、デジタルイメージの物質的な不安定性を表現している作品は、デジタル化する社会における「所有」の問題を提起しているようだ。床に置かれたポップな色彩の彫刻は、実はヒーターで、別売りのQRコードを使って遠隔から操作が可能。自分の所有している彫刻を取り囲む生活空間が、顔の見えない他者によって操作される、逆の立場からすると、QRコードを使って他者のプライベートな空間に侵入することができるのだ。愛らしい見た目の彫刻を目の前に、背筋がぞくっと寒くなってくる。



11.20.2018(平野真弓)


Space Ppong










photo by Barim

photo by Barim